商品コラム
土木資材
防草シートは下地処理で決まる!施工方法と3つのポイント
目次
1.はじめに
雑草対策に有効なもののひとつとして「防草シート」があります。
草が生長する(光合成する)3つの要素は、光・水・二酸化炭素ですが、1つでも遮断すると生長を抑制することが可能です。
防草シートは、この3つの要因のうち「光」を遮ることで、雑草の生長を抑える資材です。
ただ、ポイントを押さえておかないと、思ったほどの効果が得られなかった!と残念な結果になることもあるので、
今回は、防草シートを敷く際にこれだけは押さえておいて欲しいポイントをご紹介します。
2.防草シートとはどういう商品なのか
防草シートとは、雑草対策に用いられるシートで、主に遮光と透水の機能を備えています。
※一部、遮水タイプ(水を透さない仕様)のものも存在します。
防草シートを敷くと日光を遮断でき、雑草の生育を抑制することが可能となります。
雨が降っても水を通すので、シートの上に水たまりができることなく、自然に排水されます。
シートの種類は大きく「織物タイプ」と「不織布タイプ」の2種類に分類され、用途によって使い分けます。
どちらのタイプも基本的なポイントと施工手順は同じですが、今回は、「不織布タイプ」の防草シートの現場写真を
まじえながら解説していきます。
3.ポイント①最大のポイントは下地処理
防草シートを敷く前に下地の処理をおこないます。
適切な下地処理がされていないと、完成後の防草効果にも仕上がりにも影響を与えるので注意が必要です。
とにかく、丁寧に根気強くおこないましょう!
3-1.まずは石や雑草を徹底除去
下地の処理は石と雑草の除去が基本です。
大きな石が残っていると、防草シートが破れてしまったり、シートが浮いてしまう原因となります。
地面とシートに隙間が生じると、雑草が生長するスペースとなり、シートがめくれやすくなることも。
雑草は根っこが残っていると成長してくることもあるので、できる限り除去することをオススメします。
現場の状況によっては、草刈り前に除草剤を併用することも防草効果を長く維持する上で有効です。
3-2.整地し、フラットに整える
石と雑草の除去が完了したら、地表を整地します(平らにならします)。
地面がデコボコしていると、そのまま仕上がりに反映され景観を損ねることになります。
凹凸があると、防草シートと地面の間に隙間が生じ、固定ピンの効きが悪くなる箇所も発生します。
3-3.清掃作業で現場環境をキレイに
下準備の仕上げ・清掃をしましょう。
シート接着時に、接地面に汚れや砂があると、接着効果を弱めてしまいます。
シートの端部をコンクリート基礎・アスファルトなどに接着固定する場合は、この段階で
接地面の表面をたわしなどで清掃し、接着剤を塗布できる状態にしておくといいでしょう。
防草シートを敷くまでのこのステップでいかにキレイに整えておくかが非常に重要です。
シートを敷くまでのこの下地処理の工程も、面積によっては時間がかかる作業です。
下地処理のことも考慮して施工のスケジュールを立てるようにしましょう。
4.ポイント②適切な敷き方を守る
4-1.シートの重ね代を10cm確保する
重ね幅が少ないと、隙間から雑草が生えてきて、余計な管理・手間がかかることも。
適切な幅を確保し、しっかり施工することが、後々の維持管理をしやすくします。
2-3cmでも大丈夫なんじゃ?と思われる方もいるかもしれませんが、シートの下の地面に「光」が入れば、光合成ができ、
雑草が生長してしまいます。
余計な手間を増やさないためにも、シート同士の重ね幅を10cmは確保しましょう。
4-2.固定ピンは適正間隔通りに
防草シートを固定するピンの間隔を適正に保つことも重要なポイントです。
間隔が不十分だと、雑草の生長によって持ち上げられる、風でめくれる、といった原因になります。
端部、重ね部は50cmピッチ、中央部は100cmピッチで目串を打設します。
※風でめくれてしまいそうな場合、しっかりと固定したい場合や勾配が急な場合は、
中央部を100cmピッチ→50cmピッチなど短い間隔の打設に変更するなど、状況に応じて調整ください。
また、ピン打設の際に追加使用にオススメのアイテムとして「ワッシャー」があります。
専用ワッシャーを併用すると、ピンの固定力を強化し、シートのめくれ、破れを抑制します。
シート敷設後に、ピンの打設予定の箇所や支柱のある箇所にはチョークなどでマーキングすると後の作業がやりやすく
なります。
5.ポイント③隙間をなくす
何度もお伝えしていますが、少しでも隙間があるところは雑草が出てくる可能性が非常に高くなります。
隙間の処理をして雑草が出てくるのを防ぎましょう!
5-1.シート重ね部にテープor接着剤を使用
防草シート同士の重ね部分は、10cm以上設けて固定していますが、経年によるズレやめくれから、ピンだけでは
隙間が生じてしまう場合があります。
雑草は小さな隙間からでも出てくるので、専用の粘着テープで重ねた部分を固定します。接着剤でもOKです。
清掃作業は済んでいますが、表面に汚れ等が付着していたら、除去してから接着するようにしてください。
5-2.構造物との隙間には接着剤が有効
防草シートとブロック塀、建物基礎などの構造物と接触する箇所にも隙間が生じることがあります。
敷き方の手順として、最初に固定ピンで仮止めをし、接着剤を使用し構造物へ接着。
その後、固定ピンで適正感覚通りに止めてずれないようにします。
構造物との接着には、接着剤を使用し、隙間ができないように施工します。
※テープはシート同士の接着には有効ですが、構造物とシートの接着にはテープよりも接着剤のほうが効果が持続するためおすすめです。
雑草は光がある方へ、すぐに生えてきます。
壁際やマンホールの周り、柱など障害物付近はどうしても隙間ができやすいので、隙間ができないように
丁寧に施工するのがポイントです。
柱などの基礎周りや敷地境界線、水回り等は、必ずカッター等で正確に防草シートを加工した上で設置します。
マンホールの蓋などには、円カッターを使用して仕上げるとキレイに仕上がります。
※熱融着は一部商品に限ります。すべての不織布タイプの防草シートが対応しているわけではありません。
熱融着による貼り合わせの工法「パワーマルチ工法」についてはこちらをご確認ください。
5-3.ピン穴の隙間をなくす
防草シートに固定ピンを打ち込むとピン穴が生じますが、わずかな隙間であっても雑草が出てくることがあります。
すべてのピン穴に対し粘着テープを貼って穴をふさぐことで防草効果を高めます。
当社「ドーム型ワッシャー」は従来のワッシャーと比べて、ピン穴が生じにくい設計になっています。
4つの隔壁により固定力が倍増、貫通しようとする雑草が隔壁に沿うように成長することで、ピン穴からの雑草を出てきにくくします。
ピン穴に粘着テープを貼る手間を軽減することができます。
🚩ワッシャーの種類についてはこちらで詳しくご紹介しています。
6.まとめ
ここまでのポイントをまとめると…
- とにかく下地処理を丁寧に行う(草刈り~整地~清掃)
- 適切な敷き方で行なう
・シート同士の重ね代は10cm以上保つ
・固定ピンは適正間隔で打つ - 隙間が出来ないようにする
・重ね部には粘着テープを貼る(or 接着剤塗布)
・構造物との隙間には接着剤を使用する
・ピン穴の隙間もテープでなくす(ワッシャーをドーム型に変える)
基本は、下準備をしっかり行い、正確・丁寧に作業することが大切ですので、ポイントを押さえながら
作業するようにしましょう。
これらに注意することで効果的な防草対策ができますので、ぜひ参考にしてみてください。
これらの内容を印刷したい方はポイントをまとめた施工要領書がありますのでご利用ください!
小泉製麻では、現場環境に合わせて、施工方法や活用できる資材をご提案させていただきますので是非お気軽に
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📢 【施工ポイント 55秒でまるわかり!】防草シートを綺麗に保つポイント
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