商品コラム
農業資材
農業用ハウスの内張りカーテンとは?
選び方のポイントとオススメカーテンをご紹介
目次
1.はじめに
ハウス栽培では、作物にとっても、生産者(作業者)にとっても最適な環境を整えたいものです。
ハウスの構造(屋根形状や単棟・連棟、換気方法の違いなど)や地域、栽培する作物によっても
それぞれの最適環境は異なります。
農業用ハウスのカーテンは遮光・遮熱・保温・吸湿・透湿に主に利用され、作物によっては
日長調整にも利用されています。
環境制御の一つとしてカーテンを上手く活用すると、光、温度、湿度をコントロールでき、
作物の収量UP・品質UPにつなげられます。
また、うまく利用すれば、作物に最適な環境を実現するだけでなく、暖房費の削減や労働効率の向上にも
良い影響をもたらします。
本記事では、ハウスの内側で使用する内張りカーテンの種類を紹介しながら、カーテンの選び方について解説します。
オススメのカーテンも紹介しますので、ぜひカーテン選びの参考にしてください。
2.農業用ハウスのカーテンとは?装置とカーテンの種類について
内張りカーテン(カーテンフィルム)は、カーテン装置がなければ使用できません。
装置に合わせたカーテン選びが必要になります。
カーテン装置の種類としては、スライド式、巻き上げ(巻き取り)式、ラック式など
いくつかの種類に分類されます。
さらに、カーテンの駆動部の先端がパイプかロープか、張り方が2枚張りか4枚張りかなど、
展張方法もハウスの設備環境も多種多様です。
設備で使用できるカーテンかどうかを確認の上、選んでいきましょう。
3.カーテンの層は何層?
カーテンを、1 層だけでなく、2 層・3 層と層を重ねる場合があります。
2 層以上のカーテンを設置する場合、1 層は遮光カーテンにして、もう一層は、保温のみのカーテンに
するなど、機能を分けることもできます。
また、保温カーテンを 2 層にして空気層を作ることにより、更に保温性を高めることも可能です。
どの層にどのカーテンを設置するか、組み合わせることができます。
4.内張りカーテンの織り方/編み方の違いと特徴
4-1.平織
縦方向の経糸と横方向の緯糸が交互に交差する最も基本的な織り方です。
全体的に遮光性が均一になり、気密性が高く、丈夫で摩擦に強い点が
特徴です。
織物なので、通気性があり水が溜まりにくいです。
4-2.ラッセル編
編み目を縦方向に連続させる、経編みのネットです。
編み物で緯糸が短いので、カーテンを開閉する時の抵抗が少なく収束性に優れている点が特徴です。
長さを調節する際にハサミ等で切断しても切り口がほつれにくく、農業用ハウス内の遮光カーテンとして
よく利用されている編み方です。
4-3.カラミ織
経糸で緯糸を挟み込むように立体的に絡ませながら織る織り方です。
平織の丈夫さを維持して、ほつれにくい工夫をしており、平織とラッセル編、両方の特徴を持っています。
平織の丈夫さを維持して、ほつれにくい工夫をしており、平織とラッセル編、両方の特徴を持っています。
内張りカーテンのように開閉して使用するのではなく、ハウス内外で固定して遮光用途として使われる
ことが多いです。
5.内張りカーテンのカラーによる効果の違いと遮光率の違い
5-1.色による効果の違いとそれぞれの特長
カーテンの色は遮光・遮熱の効果に影響します。
農業用遮光ネットが普及しだした当初は黒色が一般的でしたが、暑さ対策でシルバーが販売されました。
近年は温暖化の影響もあり夏場の高温対策として「遮熱」の需要がさらに高まり、白色の遮光・遮熱ネットが
増えてきています。
5-2.遮光性と遮熱性
遮光性は黒、遮熱性はシルバーと白、光を有効活用するのは白が優れています。
6.冬場の利用には保温と吸湿性能も必要
6-1.保温がなぜ必要なのか?保温性の高い素材とは
ハウス栽培は、露地では栽培できない時期に生産・出荷することが主な目的のため、冬場に栽培することも多く、
低温時には作物の光合成は低く、成長も遅くなります。
ハウスに、暖房機が設置されていることが多いですが、暖房効率を上げるため、保温用にカーテンを利用することも。
保温カーテンを設置することで、暖かい空気を通しにくくなり、暖房機の出す熱も屋外に伝わりにくくなります。
保温性の良い素材として、アルミ箔が一般的によく利用されています。
PVA(ポリビニールアルコール)とEVOH(エチレンビニルアルコール)も保温性があり、採用しているメーカーもあります。
保温性を表す指標として、カタログ等に「保温率・熱貫流係数」の数値が示されているので参考にしてみてください。
6-2.なぜ吸湿性が必要なのか?吸湿性の高い素材とは
吸水性が求められるのは、①露が直接作物に触れることを防ぐ、②湿度を抑える、の2点が主な理由です。
冬場の夜間、ハウス内の空気に含まれる水蒸気は、ハウス表面で外気に冷やされて結露します。
その結露した水滴が、外層フィルムからポタポタと落ちてきます(=通称「ボタ落ち」)。
「ボタ落ち」した水滴が作物の葉にあたって濡れると、カビや病気が発生しやすくなるため、これを防ぐために、吸湿性が求められています。
7.カーテン選びの4つのポイント!
カーテン選びの際は、前述の求める目的に合った機能を備えていることに加え、
①耐久性、②軽量性、③収束性、④縮みにくさ もポイントです!
7-1.耐久性
一般的に 5 年程度が標準と考えられています。
カーテンの張り替えは作物のない時期に行う必要があり、大掛かりな作業のひとつなので、
一定の年数使用できる耐久性を備えたものがいいでしょう。
使用環境によっても差はありますが、価格を重視して耐用年数が短くなってしまっては、
余計な労力や作業効率の低下につながりかねません。
7-2.軽量性
施工時の作業性の面で都合が良く、カーテンの開閉時、自重によるフィルムの摩擦による破れなどの
トラブルも軽減されます。
7-3.収束性
収まりが良いと、カーテンを閉じているときに、十分な光が作物に当たります。
逆に収まりが悪いと、陰ができ、光の当たらない部分ができてしまいます。
ラッセル織のカーテンが主流になっているのは、収まりの良さが重視されている側面もあります。
7-4.縮みにくさ
カーテンの長さが変化すると、カーテンを止めているパッカーやクリップが外れ、カーテン装置に
負荷がかかってしまいます。
全く縮まない素材を選ぶというよりは、事前に縮み率について確認し、縮み分を考慮してカーテンを
施工・設置すると良いでしょう。
8.内張りカーテンの小泉製麻オススメ5選
8-1.ビーナスラッセル
アルミ箔を使用した優れた遮熱・保温効果のあるカーテンです。
【特長】
- 夏場は遮熱効果により、ハウス内が涼しく快適に。
- 冬場は保温効果により、暖房費をより節約。
- ラッセル編のため、収束性に優れカーテン収束時の陰を少なく。
- 3層構造アルミ箔で高い強度を実現。
- 開閉式のスライドカーテンに使用可能。
8-2.ビーナスメタル
アルミ箔を使用した優れた遮熱・保温効果のあるカーテンです。
【特長】
- 夏場は遮熱効果により、ハウス内が涼しく快適に。
- 冬場は保温効果により、暖房費をより節約。
- 3層構造アルミ箔で高い強度を実現。
- 気密性の高い平織りのため、開閉式のスライドカーテンと巻き上げ式のカーテンにも使用可能。
📝関連商品のチラシPDFはこちら▼
8-3.ビーナスホワイトNEO
EVOHを使用した吸水性・透湿性・保温性に優れたカーテンです。
【特長】
- ハウス内のボタ落ちを軽減し、病気の防止に。
- 保温性に優れ、暖房費の節約にも。
- 白色フィルムを全面採用しているので、ハウス内を均一に遮光。
- 気密性の高い平織りのため、開閉式のスライドカーテンと巻き上げ式のカーテンにも使用可能。
📝関連商品のチラシPDFはこちら▼
8-4.ビーナスナチュラルNEO
EVOHを使用した吸水性・透湿性・保温性に優れたカーテンです。
【特長】
- ハウス内のボタ落ちを軽減し、病気の防止に。
- 保温性に優れ、暖房費の節約にも。
- 透明タイプなので、多く光を取り込む。
- 気密性の高い平織りのため、開閉式のスライドカーテンと巻き上げ式のカーテンにも使用可能。
📝関連商品のチラシPDFはこちら▼
8-5.ビーナスホワイトストロング
遮光・遮熱・保温効果のある多機能白色カーテンです。
【特長】
- アルミ箔フィルムと同等の高い遮熱性
- 内部に多数の空洞が含有されており優れた保温効果
- 東洋紡株式会社のポリエステル系合成紙「クリスパ―®」(PETボトル環境リサイクル推奨マーク取得済み)を採用
- 気密性の高い平織りのため、スライドカーテンと巻き上げ式のカーテンにも使用可能
📢 Youtubeでもカーテンの試験や展張の様子を55秒の動画でご紹介しています。
9.まとめ
ハウス栽培では、作物にとっても、生産者(作業者)にとっても最適な環境を整えることが大切です。
ハウスの構造・地域・作物にあった資材をうまく組み合わせることで、環境をより良くしていくことが可能です。
内張りカーテンはそのひとつの方法ですので、参考になれば幸いです。
当社のカーテンはご希望サイズに加工も承っています。
どのカーテンを選べばよいか迷われている場合や、ご質問、カタログ、チラシ、カットサンプル等もお問合せフォームよりお気軽にお問合せください。
関連情報
こちらのコラムへのご質問や商品に関するお問い合わせは、お問い合わせフォームよりお寄せください。