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農地の防草シートの選び方| 畑やハウスの除草を楽にする!シート選びのヒントや敷き方のコツ

1.はじめに

農作業をする方にとって雑草管理は切っても切れない関係です。
刈っても刈っても生えてきて、庭や畑に悪影響を及ぼす厄介な存在です。
以前は雑草対策の方法として、刈払い(手作業または機械)、除草剤散布が主流とされていました。
 
 
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあります。
 
【刈払い】
メリット :すぐできる
デメリット:作業性(安全性)が担保できない、刈った雑草の処分が面倒
 
【除草剤】
メリット :費用が安上がりで効果が持続する
デメリット:土地が痩せてしまう、周辺や人体への影響が懸念される  
 
それぞれ一長一短で、農作業における雑草対策においてはこれといった決定打がないのが実情です。
それらをバランスよくまとめた対策方法のひとつが防草シートと言えます。
これまで雑草処理にかかっていた時間・労力を減らすことが可能です。
 
本コラムでは、農地向けの防草シートの選び方、メリット・デメリットなどをご紹介します。
 

2.防草シートとは

2-1.防草シートはどうやって草の生長を防止する?

刈払いと除草剤のメリットデメリットに取って代わる、もしくは補うものとして防草シートがあります。
では防草シートは刈払いや除草剤に代わってどういう役割を果たすのでしょうか。
 
端的に言えば、読んで字のごとく「雑草の生長を防止・抑制するシート」となります。
 
※ 防草シートは、あくまで雑草を防止・抑制するためのものであり、   
  除草剤のように雑草自体を枯れ死させるものではありません。
この点は要注意です。
 
防草シートとはまさに生長しようとしている雑草の上を覆うことで、
その生長を妨げるという役割を果たすものになり、
刈払いのデメリット(安全性)を克服し除草剤のメリット(長期間の雑草抑制)を併せ持つものということになります。
 

2-2.防草シートには素材や作り方の違いで大きく2種類ある

ただ一口に防草シートといっても様々あります。
次に当社で取り扱う防草シートの違いをご紹介します。
 
1:織物タイプ 
経糸横糸たていとよこいとで構成されており、2の不織布タイプと比べると、比較的安価に製造できます。

メリット
シート上を歩いても擦れに強い。
糸同士の交点が隙間になっているので水が抜けやすい(=水はけが良い) 
 
デメリット
水を通しやすい反面、光も透過しやすくなるため、雑草抑制効果はやや弱い
 
2:不織布
不織=「織っていない」、布=シートのことです。
コロナ禍で多くの人が日常的に着けるようになったマスクも不織布でできています。
 
メリット
使う糸の量(重さ)によってシートの密度を調整でき、
ほとんど光を透過しないシートが製造可能で、結果雑草抑制効果が高い。
 
デメリット
織物に比べて高価だが、シート上を歩行する事には向いていない。   
 

2-3.防草シートを敷くメリット・デメリット

防草シートってなにでも簡単に記述しましたが、具体的に防草シートを敷くことによるメリット、デメリットをご紹介します。
 
メリット
簡単に長期間の雑草抑制効果が得られる。                   
 
デメリット
基本的に金属製のピンで抑える作業があり、敷設時には作業の手間が掛かる。   
貼り替えは5年程度が一つの目安であり、その都度貼り替え等の手間が発生する。
 
繰り返しになりますが、防草シートとはシートを雑草の上に敷き(広げ)、太陽光を遮ることで生長を抑制するものなので、
簡単に施工できて雑草抑制効果が長期間持続するのが最大のメリットと言えます。
 

3.防草シートは使用する場所に合ったものを選ぶ

農作業において防草シートが活躍する場面は下記の5つが考えられます。
 
1:ハウス内
2:ハウス周囲
3:畑の畝間
4:畦畔けいはん
5:用水路わき
 
これらの場所とともに、どういうシートを選ぶべきか考えていきましょう。
 

1:ハウス内

作業で歩行するが、虫の発生源となる雑草はもちろん、水たまりもつくりたくない。
こういう場合は織物タイプの防草シートを選びましょう。
 
織物防草シートは経横たてよこの糸で織り込んだシートであり、擦れに強く、経糸と横糸の交点に隙間があるので、水を透過しやすいという特長があります。
 

2:ハウス周囲

こちらもハウス内同様、歩行するかつ虫の発生源となる雑草の繁茂は抑えたいというニーズが考えられます。
こういう場合は、織物防草シート不織布防草シートを選びましょう。
できるだけ初期費用を抑えたいのであれば織物を、費用より長期間雑草を抑えて欲しいというのであれば不織布を選びましょう。
※不織布防草シートは基本的にシート上を歩行するというシチュエーションには不向きですので、極力歩行がない場所を選んでご使用下さい。
 

3:畑の畝間うねま

作業で歩行し、かつそこにはぬかるんだ箇所があることが想定されます。
こういう場合は迷わず織物防草シートを選びましょう。
水が透過しやすく、シート自体の強度でぬかるんだ箇所がそれ以上沈み込みにくいなど、歩行もしやすくなります。
 

4:畦畔けいはん

長期間雑草抑制をしたいが、畦畔の維持の為、根はある程度残しておきたい。
こういう場合は、不織布系防草シートを選びましょう。
 
不織布系防草シートは水を透過しますが、太陽光を極限まで遮り、雑草を長期間抑制するものです。
畦畔は急斜面であることが多く、一度敷けばできるだけ長期間持って欲しいというニーズが成り立つので、不織布防草シートがベストと言えます。
 

5:用水路わき

こちらも畦畔けいはん同様、長期間雑草抑制をしたいが、法面のりめん維持のため、根はある程度残しておきたいというニーズがあると考えられますので、不織布防草シートを選びましょう。
用水路わきの場合、法面には水分が多く供給されるため、できるだけ糸の使用量が多い不織布防草シートを選びたいところです。
 

4.防草シートの色による使い分け

次に防草シートの色による使い分けを考えてみましょう。
防草シートには一般的に黒、白、緑とありますので、それぞれの使い分けを挙げます。
 

1:黒(黒系)

日陰を作るイメージですので、色で言えば、光を遮る効果は一番(雑草抑制効果が高い)と言えます。
ただ黒は太陽光を吸収しやすく、劣化も進みやすいというデメリットもあります。
黒ですので汚れにも強く目立ちにくいことから、農作業において選ばれる事が一番多い色です。
 

2:白

白は黒とは違い、光を透過(もしくは反射)するという特長があります。
農作業においては、白を選ぶことで、作物の色付け、収量アップ、害虫忌避にも繋がります。
反面光を透過するということは、雑草も光合成できるということになりますので、雑草抑制効果が低いとも言えます。
雑草抑制という点では白は選択肢に入れない方が無難です。
逆に白の利点を理解した上で使うことになりますが、メリットを考えれば白を使うならハウス内とハウス周囲に限るべきでしょう。
 

3:緑

不織布防草シートに多い色です。
もともとは雑草抑制に特化したものなので、道路や公園での使用を想定し景観色を採用しているというのが特長です。
黒よりは劣るものの、白よりは光が透過しにくいと言えます。
景観色で目立ちにくいため、畦畔けいはんや用水路わきでの使用が多い色です。
 

5.防草シートの値段・コストの違い

次にコスト面について考えてみましょう。
防草シートというのは織物であれ不織布であれ、「糸」を使って作ったシートです。
製造費用に差はありますが、コストの大部分は原料である「糸」の使用量です。
そして防草シートの性能とはどれくらいの期間、雑草が生長する因子である太陽光を遮ることができるかになります。
そのシートの性能に直結するのが、どういう「糸」をどれくらいの「量」使うのかという点です。
つまり防草シートの性能とコストは「糸の使用量」に左右されると言えます。
 
以上を踏まえて防草シートのコスパを簡単に示します。※一般論です
 
防草シートのコスパの違い
● 織物防草シート・・・安価で量販店等で入手できるが、シート自体の耐久性が低い(おおよそ5年が目安)
● 不織布防草シート・・・高価で専門メーカーから入手する必要があるが、シート自体の耐久性が高い(おおよそ10年が目安)
 
糸を多く使うほど雑草抑制効果も耐久性も高くなりますが、原材料費が上がるので、コストも高くなるという関係をご理解下さい。
 

6.防草シートの敷き方・コツ

6-1.敷く前にしっかり除草する

地面の際までしっかり刈り込んで下さい。
ここで丁寧に下準備することが長持ちのコツでもあります。
 

6-2.隙間ができないように敷く

隙間があるということはそこから太陽光が入り込むということですので、できるだけ隙間をなくす(減らす)ように敷いて下さい。
特にシート同士の重ねやシート周囲は注意して下さい。
 
📢 土木・建設向けの不織布タイプの防草シートの敷き方についてはこちらコラムに詳しくご紹介しています。
 

6-3.地面に合った固定ピン・副資材を使用してしっかり固定

土の固さや種類は場所によって千差万別です。
打込めればいいというのではなく、土の状態にあったピンを選定しなければ、簡単にシートが捲れてしまいます。
事前にご相談も承ります。
 
📢 固定ピンの選び方についてはこちらコラムに詳しくご紹介しています。
 

7.小泉製麻のオススメ農業用防草シート3選

7-1.ルンルンシート白黒/黒黒

現在国内で入手できる織物防草シートの中では糸の使用量が一番多い高性能シートです。
国内工場製造で品質に絶対の自信を持っています。
 
 
当社商品ページ
 

7-2.ルンルンシート白ピカ

ルンルンシートで培った技術を応用し、太陽光を地面に敷いたシートで乱反射させることで、
作物の品質と収量アップを可能にしました。
こちらも国内工場一貫製造です。
 
 
当社商品ページ
📝使用現場の紹介や、商品チラシも下記ページからご確認いただけます。
 

7-3.Questクエストシート

防草シートは永久的なものではなく、将来的に張り直しが必要になってきます。

そこでできるだけ初期費用を掛けたくないというリクエストに応えて、コストパフォーマンスに特化したシートを作りました。

製造方法はルンルンシートと同様ながら、糸の使用量を若干減らしています。
品質よりコスト重視の方は是非こちらをお選びください。
 
 
当社商品ページ
 

8.まとめ

畑・ハウスなど農地用の防草シートの選び方やメリット・デメリットについてご紹介しました 
防草シートは1度敷くと、数年分の除草作業にかかる時間や労力を削減できる便利な資材です。
それぞれの特徴やメリットデメリットを理解し、適切な選び方・敷き方ができれば生産効率アップに貢献できるものです。
防草シートメーカーとして40数年の歴史・知見を背景に、今後も皆様のニーズにお応えしてまいります!
是非お気軽にお問合せください。
 
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