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防草シートの敷き方・貼り方【建設・土木向け】

1.はじめに

こんにちは、国土環境事業部の熊崎です。
防草シートの効果は、場所に合った商品を選定することも大切ですが、
ポイントを押さえて丁寧に作業する「敷き方」とその前段階の「下準備」が非常に重要です!
 
本コラムでは、防草シートの下準備~施工の基本的な流れを解説しながら、
当社オススメ商品や防草シート敷設作業に必要なアイテムをご紹介していきます!
 
土木向けの手順で解説しますが、他の防草シートの敷き方と関連する部分もあるので、
参考になれば幸いです。
 

2.防草シートを敷く前の下準備をしっかりと!

2-1.雑草を除去!除草作業を徹底的におこなう

除草作業の様子

草刈機などを使用し、雑草をキレイに刈り取ります。
根や切り株、浮石などを除去しましょう。
😥雑草を除去しないまま敷くと…
  1. 防草シートが浮いてしまい見栄えが悪くなる
  2. 浮いてしまうことでシートのめくれなどにつながる
  3. 雑草が成長してシートを突き破る可能性がある
ここでしっかり雑草を刈り取っておくことで、
防草シートも本来持つ力をしっかり発揮してくれます!
 
 

2-2.しっかり整地し、下地を整える!

整地処理の様子

下地に凹凸があるとシートがキレイに敷けません。
😊整地することで…
  1. キレイに仕上がり見栄えが良くなる
  2. 地面との空間が少なくなり、雑草が生えづらい環境になる
  3. 地面と密接してシートが風でめくれにくい
必要に応じて重機や転圧機などを使用し、
しっかりと整地・転圧を行ってください。

ここも重要なポイントです!

2-3.接着効果を高めるためには清掃作業も怠らない!

下地が整ったら下準備の仕上げ・清掃をしましょう。
接着をする場合、汚れや砂があると、接着効果を弱めてしまいます。
😥接着効果が弱まると…
  1. シート同士の重ね部からめくれてくる
  2. めくれた部分から雑草が生えやすくなる
  3. シートめくれにより見栄えが悪くなる
シートの端部をコンクリート基礎・壁などに接着固定する場合は、
清掃→コンクリート表面を研磨し、接着剤を塗布できる状態にしましょう。
 

3.防草シートの敷き方(貼り方)4ステップ

3-1.端から延長方向に伸ばしながら敷いていく

防草シートを延長方向に伸ばしながら敷いていきます。

ピンの打設箇所や支柱のある箇所にこの時点でチョークなどでマーキングすると後の作業がやりやすくなります。
防草シートを重ねて施工する場合は、重ね幅を10cm以上確保するようにしましょう。

重ね幅が少ないと、隙間から雑草が生えてきて、余計な管理・手間がかかることも。
適切な幅を確保し、しっかり施工することが、後々の維持管理をしやすくします。

3-2.固定ピン(目串)を打設していく

マーキング箇所に沿って固定ピン(目串)を打設していきます。
端部、重ね部は50cmピッチ中央部は100cmピッチで目串を打設します。

ピンの打設間隔

※風でめくれてしまいそうな場合や、しっかりと固定したい場合は、
 中央部を100cmピッチ→50cmピッチなど短い間隔の打設に変更するなど、状況に応じて調整ください。
※柔らかい地盤には、固定力の高いアンカーを使用してください。

目串を打設している

 
目串は単体のみの使用だと点や線で押さえることになり、
固定力はそれほど強くありません。
風にあおやれて抜けてしまったり、ピン穴から引っ張られたり
することでシートの破れにつながることも💦
 
固定力を高めるためには、面で押さえられるワッシャーや
専用テープなどの補助アイテムを併用するのを推奨しています。
 
 

3-3.接着剤で固定する

シートの重ね部や端部に、接着剤を使用して固定する方法です。

下準備の際に清掃はしていますが、改めて接着面を確認し、
接着面(コンクリート)の表面に付着する汚れを金ブラシなどでキレイに清掃してください。
幅10cmを目安に刷毛などで接着面に塗布します。
接着剤の塗布量は約500g/㎡が目安です。

※塗布幅が10cmの場合…
  • カートリッジタイプ:約6m
  • 3kg缶タイプ:約60m 
  • 15kg缶タイプ:約300m 使用できます。
カートリッジタイプを使用する場合は、シーリングガンを使用し、接着面に塗布後、
刷毛で接着剤を広げるようにしてください。
カートリッジの口径が小さいため、塗布するだけだと「線状」になるので、
10cm以上の接着幅を確保できるように塗り広げてください。
ムラなく均一に塗布しましょう。
 
10~15分ほど乾燥させ、表面に塗膜ができたら貼り合わせを行ってください。
接着剤にはいくつか種類がありますが、成分に含まれる溶剤が揮発することで硬化する接着剤は、
乾燥時間(オープンタイム)をとることで、溶剤が揮発し、粘性が飛ぶことで初期接着強度が高まります。
(当社取扱品:「ボナタイトM35RFC」「DB1690」)
 
貼り合わせの際はしっかりとシートを押しつけ、隙間が生じないよう確認しながら行ってください。
 

3-4.シート重ね部を専用テープで固定する

専用テープで固定した現場

シートの重ね部にテープを使用して固定する方法です。
基本的には接着剤またはテープのどちらかの方法で固定しますが、
よりしっかり固定するために併用する場合もあります。
 
付着面にできるだけホコリやゴミが発生しないよう清掃し、
幅10cmを目安にシート同士を重ね、上からテープで貼り合わせてください。
 
基本的な施工はこれで完了です!
 
 
 
👇小泉製麻の商品紹介YouTubeチャンネルでも施工のポイントをご覧いただけます👀
📢 【施工ポイント 55秒でまるわかり!】防草シートを綺麗に保つポイント
 
 

4.防草シートの施工に使用するアイテム一覧

4-1.下準備(準備工)と敷設作業(本施工)に必要な工具類を揃える

シート本体施工前の整地処理や清掃に必要な工具・備品を用意します。
 
雑草処理に必要なもの
  • 肩掛け式草刈り機 
  • 鎌 
  • 除根ができる工具 など  
清掃処理に必要なもの
  • ほうき
  • ブロワー など
シートを敷く作業(本施工)に必要な工具類を揃えます。
 
本施工に必要なもの
  • ハンマー
  • はさみ
  • 円カッター
  • 刷毛
  • 水糸
  • 容器
  • 発電機
  • 延長コード(5m程度) 
  • ドラム式延長コード
  • 熱融着機(ヒーティングガン) 
  • スケール
  • 下敷き(円カッター使用時に必要)
他、必要に応じてご用意ください。
 

4-2.現場に合った防草シート本体を用意

写真はKOMA250

欠かせないシート自体。
使用現場の面積や抑えたい雑草の種類などを事前に確認の上
シートを選びましょう。
当社商品の場合は、写真のようにロール状の梱包形態もあれば、
畳まれた形状の梱包のものもあります。

商品により異なりますので、詳細はお問い合わせください。

 
 
📢 防草シートの選び方についてはこちらコラムに詳しくご紹介しています。
 

4-3.固定ピン(防草シート用押さえ釘)

シートを選んだら次は固定するためのピンを選びます。
現場の状況に適したものを選ぶ必要があります。
📢 固定ピンの選び方についてはこちらコラムに詳しくご紹介しています。
 

4-4.ワッシャー

シートをよりしっかり固定するために、ワッシャーをピンと併用して固定する方法を推奨しています。

📢 ワッシャーの種類についてはこちらコラムに詳しくご紹介しています。
 

4-5.防草シート専用テープ

防草シート専用テープは、シート同士を重ねて使用する際に貼り合わせたり、
固定ピンの打設箇所から草が生えるのを防いだりする用途で使用します。
 

①シート同士の重ね部貼り合わせに「テープボンドVF450」

シートとシートの隙間から雑草が生えてくるのを抑制します。
防草シートの重ね部や端部の防草対策にご使用ください。
 

②ピン打設箇所の対策に「スクエアテープ ボンドVF450」

ピン打設箇所への防草対策用テープです。
ピンを打った際、どうしてもシートに穴があいてしまうため、そこから雑草が生えやすくなります。
 
ちょっとした隙間からでも雑草は生えてくるので、隙間を少しでもなくすことが重要です!
そんな時にこのテープを上から貼ることで、ピン穴からの雑草抑制につなげられます。
 
オススメは「PEワッシャー」との併用です。
*ドーム型ワッシャーは厚みがあり直径8cm。スクエアテープ10cmの接着面を確保できず、浮いてしまう。
 

4-6.より強固な固定には”接着剤”を使用

接着剤「ボナタイトM35RFC」

シート同士の重ね部構造部への接着固定に使用します。
隙間からの雑草を防ぎます。
よりしっかり固定したい場合にオススメです。

小泉製麻では「ボナタイトM35RFC」、「DBボンド1690」、
「ディノグリップ505」を扱っています。
お客様にあったものをご提案させていただくので、詳細はお問い合わせください。
 
 
 
 
 

4-7.ヒーティングガン(熱融着機) ※パワーマルチ工法の場合のみ

ヒーティングガン

ヒーティングガン

”パワーマルチ工法”に使用する熱溶着機です。

📝パワーマルチ工法とは…
  専用のヒーティングガンを使用し、
  熱溶着で防草シートの重ね部を張り合わせる工法
 
※パワーマルチ工法は緑化マルチフェルト」シリーズのみ適用できます。

ヒーティングガンは販売orレンタルをしていますので、詳細はお問い合わせください。

 
 
 
👇小泉製麻の商品紹介YouTubeでもご覧いただけるのでぜひあわせてご覧ください👀
📢 【接着剤不要】マルチング資材「緑化マルチフェルト」の熱融着による接着方法をご紹介

📢 パワーマルチ工法の現場風景

 

4-8.マルチ用ピース ※パワーマルチ工法専用

ピン打設箇所からの雑草抑制に使用するアイテムです。(使用目的は2-4.②スクエアテープと同様)

パワーマルチ工法専用のマルチ用ピース(写真は標準タイプ)

パワーマルチ工法専用のマルチ用ピース(写真は標準タイプ)

パワーマルチ工法専用のアイテムで、ピン打設箇所へ
ヒーティングガンで熱溶着して使用します。
(自着能力はありません)
 
※「緑化マルチフェルトシリーズ」のみ適用できます。
 
防草シートと同じ素材の10cm×10cmのピースで、
ピン穴からの雑草を抑制し、景観も優れています!
 
・標準タイプ(=透水タイプ、水を通す)
・遮水タイプ(=不透水タイプ、水を通さない)の2種類
 ラインナップがあります。

 

4-9.e-パテ ※コンクリートの構造物がある場合

コンクリート部のひび割れ・陥没箇所の補修・不陸調整に使用します。

雑草は、経年による構造物の凹凸や剥離箇所、目地などの隙間から生長します。
e-パテは粘土状の万能パテ剤で、凹凸や目地箇所へ充填・補修することができます。
構造物と防草シートの間に発生した隙間を埋める際にも使用いただけます。
 

5.防草シート施工時に気を付けるポイント

5-1.天候

雨や雪の日の施工は避ける
雨や雪が降る日の施工は避けてください。
雨が降っている時や、地面や接着したい面が濡れている状態では
接着剤やテープの十分な効果が得られません。
 
結露にも注意
結露などで防草シートや構造物が濡れている場合も同様で、
乾燥を確認した後に施工してください。
 
風 が強い場合は仮固定しながら少しづつ作業
風が強い場所で施工する際は、防草シートがあおられないように、
必要に応じて仮固定しながら少しづつ安全に施工するようにしましょう。
 

5-2.土質条件

防草シートを敷設する土壌は硬かったり、柔らかかったり、石が多かったりと
土質条件はさまざまです。
土壌が硬い又は石が多い場合、目串が曲がってしまうケースもあります。
柔らかい土壌の場合は、風にあおられた際に固定ピンが抜けてしまうケースもあります。
施工前によく確認し、現場の土質に最適な固定ピンを選定してください。
 
📢 固定ピンの選び方についてはこちらコラムに詳しくご紹介しています。
 

5-3.施工する時期

1年を通して施工は可能ですが、原則、草刈り直後の施工をオススメします。
夏場は接着剤の粘度が低下し、防草シートに吸収されやすくなり、
冬場は通常に比べて接着剤の硬化に時間がかかります。
 
時期や天候を確認しながら施工計画をしっかり立てましょう。
 

6.まとめ

防草シートの施工は、シート、副資材の選定や施工手順をしっかり守る事は非常に大切ですが、
それ以上に、現場の事前確認、草刈り・転圧・清掃等の下準備が最も大事です。
せっかく、防草シートを敷いたのに、雑草が生えてきてしまった・・・とならないよう、
下準備もしっかりと行ってください。
現場環境に合わせて、施工方法や活用できる資材をご提案させていただきますので
是非お気軽にお問合せください。
 
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