商品コラム
土木資材
防草シート固定ピン|種類・間隔・おすすめの使用方法紹介
目次
1.防草シートに固定ピンは必須?固定ピンの役割とは?
こんにちは、国土環境事業部の池辺です。
防草シートを固定する資材は、ピンやテープなどさまざまですよね。
「シート固定資材をどう選んでいいか分からない、どのような間隔で使用したらいいか分からない」
という方に、それぞれの特徴と選び方、おすすめの使用方法をお伝えします。
あわせて、最近お問い合わせが増えている小泉製麻のオリジナル商品「ドーム型ワッシャー」もご紹介します。
2.防草シートに使う固定ピンの種類と特徴
2-1.固定ピンの素材別特徴
・一般的には「鉄製ピン」が広く利用されています
強度や耐候性が優れています。経年による錆で引抜き抵抗力がアップします。
塩分など土質により錆が進行し耐久年数が短くなってしまうことがあります。
・プラスチックピン/樹脂製ピン(プラピン)は引き抜き抵抗力が高いものも
強度や耐候性は鉄製ピンより劣ります。
形状がさまざまなタイプがあり、打ち込み直後の引抜き抵抗力は鉄製より高い物が多いです。
塩分が多い場所で使用しても短期間に劣化することはありません。
2-2. 形状による違い
釘型、U字型(コの字型)、L型、M型などさまざまな形状のものがあり、
現場の状況や用途に応じて使い分けが必要です。
ピンと呼んだり、目串と呼んだりします。
当社では上記4種に加え、異形アンカーやプラスチック製ピンを扱っています。
通常規格品にないサイズが必要な場合は、ご相談頂ければ一部特注対応も可能です😊
▼当社で扱っている固定ピンラインナップ▼
- 釘型(デカピンとも呼ばれます)
施工がしやすく、
固い地盤でも打設することができます。
当社の通常規格品の取り扱い
・150mm
- U字型(U型目串)
U字型なので釘型に比べ摩擦量が増します。
その為、引抜き抵抗にも優れます。
地盤が固い現場や石の多い現場では、目串本体が曲がり、
ロスがでてしまう事もあります。
当社の通常規格品の取り扱い
・150mm
・200mm
・250mm
- L型(L型目串)
釘型同様に施工性に優れ、
U字型より素材量を抑えることが可能な為、
コストパフォーマンスにも優れています。
当社の通常規格品の取り扱い
・150mm
・200mm
・250mm
- M型(M型目串)
M型目串はU型目串に比べ、
肩幅が広くつくられている点が特徴です。
その為、打設時に形状が変形しやすく
打設角度がバラつきやすく
引抜き抵抗に優れます。
当社の通常規格品の取り扱い
・250mm
- 異形アンカー
異形棒鋼を加工したものです。
その為、その他目串に比べ直径も大きく
重量がある点が特徴です。
土質が柔らかい場合や、強風エリアなど、
より強力な固定力が求められる現場で採用されています。
- プラスチック製ピン(硬質プラスチックピン)
埋設管などの存在により、
鉄製ピンの使用が難しい場合や、
外構エクステリアの分野で よく採用されています。
📢 防草・防根資材カタログにも掲載がありますので、PDFでご覧になりたい方は、こちらからご確認ください。
3.土質別!固定ピンの選び方
3-1.硬い地盤におすすめは「長さの短い釘やL型タイプ」
長いピンは硬い地盤に刺さりにくいため、長さは短め(目安:15cm~20㎝程度)がおすすめです。
長いピンやU型などでは、ピンがうまく打設できず作業効率も低下してしまう可能性があるので
形状は釘型(デカピン)やL型タイプが扱いやすいです。
3-2.標準的な地盤には「長さ20cm程度。形状はU型」がおすすめ
コストや作業性、固定力などを考慮し、
鉄製のU型で長さ20cm程度のものを使用するのがおすすめです。
当社でも最もポピュラーな規格です。
3-3.ゆるい地盤には「長さが長い商品やU型タイプ」を推奨
地盤がゆるい(柔らかい)と固定ピンは抜けやすくなります。
より抜けにくくするために、長さは長いものを、形状はU型がオススメです。
ピン打設数量も、標準的な地盤よりも多めに打つことも効果的です。
4.防草シートの固定ピンの打ち方・間隔・必要数
4-1.シート端部やシート重ね部のピンの間隔
標準的な現場では、50cmピッチでのピンの打設を推奨しています。
ピンの打設に加え、端部は、風による捲れ防止・雑草抑制のため、
縁石などに接着剤で固定するのがおすすめです。
4-2.シート中央部のピンの間隔
始点・終点は50㎝ピッチ、
他は100㎝ピッチでの打設を推奨しています。
4-3.必要な固定ピンの本数
現場の状況により異なりますが、
曝露用途の場合、概ね㎡あたり約3本の固定ピンが必要となります。(重ね部は含まず)
砕石下用途の場合は仮止め目的の為、㎡あたり約1本程度のピンが必要となります。
上の図のように、1m幅と2m幅の防草シートを重ねて10mの長さで使用したい場合、
標準的な打設間隔で行うと、約80本のピンが必要になります。
標準的なピンの打設間隔🖊
・端 部:50cm
・重ね部:50cm
・中央の始点と終点:50cm
・中央部:100cm
5.防草シート固定方法と当社のオススメ方法
5-1.固定ピン単体
固定ピン単体の場合、シートに何らかの負荷が生じた際、
シートを破ってしまう恐れがあります。
そうなってしまうと本来の目的である防草効果を損なう原因になるので、
ワッシャー併用での使用を推奨しています。
👈固定ピンのみを使用した現場では、ピン穴から雑草が生えてきて
しまいました。
5-2.固定ピン+テープを使用する
固定ピン単体で使用するよりも効果的ですが、テープの使用は意外と気を遣います。
テープは水に弱く、耐久性も高くはありません。
せっかく貼ったテープが後にめくれ補修が必要になることも。
<テープの弱点>
- 雨風などではがれてくる(耐久性が強くない)
- 接着の際に砂などで汚れて接着力が発揮できなかった(施工不良)
など 、テープを貼る施工方法は一般的ですが、あまり効果的とは言えません。
使用する際は作業時の環境を整えた上でご使用ください。
5-3.固定ピン+ワッシャーで押さえる
固定ピン単体は“点で押さえる”イメージですが、
ワッシャーを併用することで“面で押さえる”ことが可能になります。
シートのズレやめくれの軽減にも効果を期待できます。
当社としては「固定ピン+ワッシャー」の組み合わせで使用する
固定方法を推奨しています!
5-4.防草シートの固定ピンの打ち方のコツ
平面に防草シート用の固定ピンを打設する際
シートに向かって垂直方向にピンを打設する方法が一般的です。
曝露用途で、より固定力を高めたい場合は少し角度を付けて
打設する事で、一定方向からの引き抜き抵抗力が高まります。
6.ワッシャーの種類とシーン別の選び方
「固定ピン+ワッシャー」併用が効果的だとお伝えしましたが、ワッシャーにも種類があります。
防草シート用では主に2種類、平型タイプとドーム型タイプがあります。
それぞれのメリット・デメリット・推奨利用シーンを以下にまとめました。
6-1.平型タイプのワッシャー
写真の通り、全体の厚みが均一になっています。
一般的に幅広く利用されているワッシャーです。
メリット
・ドーム型タイプに比べ安価
・形状が均一で厚みが薄く、防草シート敷設後、シート上を歩行する場合につまずきを軽減
デメリット
・ドーム型タイプに比べ雑草抑制能力が低い
推奨利用シーン
・砕石下に防草シートを敷設する際の簡易固定として
・外構エクステリアや砕石下用途の利用に
6-2.ドーム型タイプのワッシャー
厚みがありドーム形状となっています。
公共工事でも多く採用されているワッシャーです。
メリット
・平型タイプに比べ雑草抑制能力が高い
デメリット
・平型タイプに比べコスト高
推奨利用シーン
・より防草効果を求められる現場
*ドーム型タイプの多くは、平型タイプと異なり、一般的には固定ピン用の打設穴が空いていません。
固定ピンを貫通させる過程で穴を空ける仕組みです。
そのため、雑草生育の妨げとなる隙間を極限まで防ぐことが可能です。
(=より高い防草効果を得られます)
7.固定ピンをしっかり打ったのにシートが剥がれてくる原因は?
7-1.防草シートの隙間に風が入り込む
例えば、以下のような場合は、シートに隙間が生じやすくなり、
風がシートの下部に入り込み、シートを持ち上げてしまうことがあります。
- シート端部やシートの重ね合わせ箇所に不陸(水平ではなく凹凸があること)がある
- 目串の打設本数が少ない場合
現場状況をご確認のうえ、お気軽に当社営業までご相談下さい。
7-2.固定が弱くてめくれてくる
ピンの選定が適切ではない可能性があります。
お使いのピンから、より長さのあるものや
摩擦抵抗力を高めれる形状のピンを検討してみてください。
7-3.風が当たりやすいところが補強出来ていない
特に、風の影響を受けやすい状況下では
シートの隙間をいかに防ぐかがポイントになります。
下地に応じた施工方法の選択や、標準のピン使用量に限らず、
標準よりも多くのピンを打設するなどの対策が必要となります。
8.ここがスゴいんです!小泉製麻ドーム型ワッシャーの特長
8-1.小泉製麻のドーム型ワッシャーの特長(一般的なドーム型ワッシャーとの違い)
特長
裏側の隔壁構造 ・優れた雑草抑制能力
裏側の違いにお気づきでしょうか?
最大の特長は『隔壁』です。
一般的なドーム型ワッシャーにはない隔壁を裏側に設けることで、
ピン穴から生える雑草が隔壁に沿って生長、やがて行き場を無くし枯死するよう誘導します。
従来のワッシャーの場合、ピン穴からの雑草抑制効果を高めるために
ワッシャー上部から専用テープを貼り付ける施工方法もありますが、
小泉製麻のドーム型ワッシャーは、ワッシャー単体で高い防草効果が期待できるため、
テープを貼る必要はありません。
専用テープを使用しないことでテープの弱点である耐久性も克服できるので、
トータルコスト削減や施工時間・手間軽減にもつながります。
更に、隔壁があることで設置面積が増え、防草シートの固定力も向上します。
副資材の中でも脇役中の脇役である『ワッシャー』は、長期的な防草効果を左右する縁の下の力持ちです。
9.まとめ
防草シート選びはもちろん重要ですが、その副資材選びも重要です。
現場に合ったものを選んで、推奨の固定方法や間隔を参考にしてください。
そうすることで、防草シート本来の力がしっかり発揮できます。
皆様の利用シーンに併せ、最適な製品を提案して参りますので、お気軽にご相談ください。
関連情報
こちらのコラムへのご質問や商品に関するお問い合わせは、お問い合わせフォームよりお寄せください。